世界はまだ、静かだった。

けれど確かに、どこかが軋み始めていた。

地をめぐる力《地脈》は、古より神により繋がれ、

四つの理《四神》がそれぞれの方角を守り続けてきた。

その理を受け継ぐのが《神子》。

その理を支えるのが《騎士》。

彼らは人知れず、この世界の均衡を保ってきた。

だが今、均衡は崩れかけている。

それは人の負の感情が理を蝕み、

ゆっくりと、確実に、世界を染め変えていくからだ。

歪みはまだ、誰の目にも見えない。

けれど、それはもう理のうちではない。

そして――

この物語は、その“歪みの時代”に立たされた《神子と騎士》の記録。

彼らが何を選び、何を守り、何を失ったのか。

すべてを見届けよう。

私の、この目で。