地に宿る力、すなわち地脈。

これを鎮める術として神子が広まりて幾年、

次第に神の声は強く、神子の身に降りる力もまた激しくなりぬ。

あるとき、東方の村にて神子が儀式の最中、

神降ろしの力に呑まれ、己を失いぬ。

神の声は断片となり、神子の意志は裂け、

その身よりあふれし力、地を穿ち、村一帯を喰らい尽くしたとされる。

このときの記録、詳細は伏せられしも、

「神子ひとりにて神を受けるは、あまりにも重し」との言葉が残されており、

その出来事をもって、制度の見直しが始まれり。

神子の傍に、精神を支える者の必要性が高まり、

それまで“供人”“奉仕人”と呼ばれていた者たちのうち、

特に神子と深く心を通わせし者が選ばれ、

これを**“騎士”**と呼ぶようになりたり。

騎士は、神子を守る盾であり、支える柱にして、

その魂の揺らぎを受け止める存在なり。

ただし、剣を持ちて敵を斬る者にあらず。

神子の意思と共にあれ、

神子の苦しみを知り、その心の深奥に届く者であれ。

初期の騎士制度は、各家で独自に試みられたり。