いにしえの記録に曰く――
大地を巡る脈動は、かつて天の理に従って流れていた。
四神は東西南北を守護し、世界に均衡をもたらしていた。
だが、ある時、均衡は崩れた。
人の心より漏れ出す負の感情。
それは地脈を濁らせ、四神の力すらも蝕んだ。
これを鎮めんがため、選ばれし巫女たちは己を器とし、
神の力をその身に降ろす定めを受けた。
ここに記すは――
四神を背負いし器たちの、
その哀しき終焉の記録である。
まだ、夜は明けきっていなかった。
しかし、東の空は、不穏な紫色に染まり始めていた。
地脈は、脈打つたびに軋みを上げ、
空気はぬるく湿った異臭を孕んでいた。
四箇所の地脈が集まる聖域近くの寺院に、