蒼龍編:『おかえり、群青』

夕暮れが迫る青龍の屋敷。

神子・蒼子は窓辺に座りながら、ひたすら門を見つめていた。

今朝、騎士である群青が姿を消した。

言葉も、手紙も、何も残さずに。

「どうして……勝手に、ひとりで……!」

誰に怒っているのか、自分でもわからなかった。

不安と焦りと怒りと……それら全部をぐっと堪えて、膝を抱える。

当主に問うても、ただ「大丈夫だ」とだけ。

けれど、その目は悲しげだった。

静かに夜が訪れようとしたそのとき――

「……あっ」

門の向こう。影が揺れる。

「……群青……!」

思わず駆け出す。息が詰まる。

そこに立っていたのは、血と傷にまみれた彼――群青だった。

「……無事で……よかった……!」

声をかけようとした瞬間、群青の膝が崩れ、倒れる。

「群青っ!」