【告白 〜誓いが愛に変わる時〜 蒼龍編】
蒼子は、東宮寺家の屋上にいた。
目の前には、契約の儀のときに渡された蒼月の脇差——「蒼影」。
もうすぐ、最後の任務が始まる。
神子としての役目。それは、終わりの始まり。
「……ねぇ、群青。私、やっぱり怖いよ」
そう言って振り向くと、群青がいた。
夕日を背にして、いつもと変わらない無表情で、でも確かな想いを宿した瞳。
「俺も怖い。君を失うのが、一番怖い」
「それでも戦うの?」
「守るためなら、戦う。——そして、願う。
君が戦いの中にいる限り、俺は剣を捨てられない。けど、それでも俺は、ひとりの男として……」
群青は、蒼子に歩み寄る。
「君を、愛している。——神子ではなく、蒼子というひとりの人間として」
蒼子の目に、涙が溢れた。
「群青……」
「契約の剣は、誓いのためのものだった。
でも、これからは、君と生きるための剣にしたい」
蒼子は、そっと蒼影を彼に差し出す。
「じゃあこの脇差、もう私のじゃなくていいよ。これは——私の初恋。君の手にあってほしいの」